《欧亚美术》  犍陀罗艺术 

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COLUMN 51


飛鳥寺出土の舎利
 


 奈良の飛鳥にある飛鳥寺は日本最古の寺である。しかも百済から飛鳥に直行して造られた寺だそうな。すなわち百済様式そのままの寺。その寺から舎利器が取り出されてその写真を見たことがある。

 よく見るとガンダーラの舎利容器の内容物と非常によく似ている。はるばるパキスタンからシルクロードを伝わってきて、全く同じというのもおもしろい。
 

 舎利容器の内に入っている内容物について考えてみたい。ガンダーラの場合い、真珠、うすい金の破片、メノウ、水晶など玉類である。すなわちその人が身に付けていた首飾りなどの装飾品だと思う。
 

 前から私が言っているが、この舎利容器は私は骨壷だと思う。たいがい内に小さな金の器がある。一度、全く手を付けていない(開けていない)と思われる金の器があった。開けてみると中に真珠が一粒入っていた。この金の器の内の真珠の玉を仏陀の舎利と見立て、そのまわりに自分の骨を入れた舎利容器をストゥーパ(仏塔)の内に納めたのだと私は思う。中央に大きなストゥーパ(高さ3〜4mの主塔)を仏陀の墓と見立て、そのまわりに小さなストゥーパ(1〜2mの奉献塔と呼ばれる)が取りまく。このまわりの奉献塔は私は貴族の家族の墓だと思う。“奉献塔”という呼び方はおかしいと思う。『仏陀の起源』の著書のある高田修先生が「奉献塔」とお呼びになったのだが、これは貴族の墓だと私は思う。

 ちなみに、この真珠を私の展示会である真珠の専門家が見て「これは紅海の真珠ですよ」と教えてくれた。どこでわかるのかわからないが、ガンダーラに一番近い真珠が取れる場所は紅海であろうから当たっている。

 貴族の墓と私が言うのは何ら根拠はないが、大きなストゥーパのまわりに自分の墓を持つことができるのは富裕層しかない。

 


 

 

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