《欧亚美术》  犍陀罗艺术 

Gandhara Antiques specialty shop
 

■店舗案内

■ご注文方法

 Column

COLUMN 43


漆喰
 


 ガンダーラ仏教寺院には漆喰がたくさん使われていたようである。
石製の彫刻にも漆喰が塗られていたようだ。
 

平山コレクションに荼毘の美しいレリーフがある。その災の部分に白く漆喰が残り、その上に災の赤が塗ってあるのがはっきり残っているのがある。すなわち石の彫刻の上に全面に白を塗り、その上に赤や黒で色付けしていたようである。
 

1、図2は石製の仏陀坐像の背面である。はっきりと塗った跡がある。図2の上の方は漆喰が流れているのであろう。表面の漆喰が流れて裏面にまわったのであろう。我々がパティナと呼んでいるものは、長い時の流れと共に土中のなかの石灰分が流れてこびりついたものと考えられているが、おそらくこの漆喰の流れであると思う。

 

1

 
2
 


 ということは、石製の彫刻には全部この漆喰が塗られていたのであろうか。その上に赤
()や黒()で色付けされていたのであろうか。ずいぶんとあでやかなものだったろう。その上に金箔をおいたものもあった。それが時代が下って、34世紀になると、ストゥッコで造られるようになる。壁面全体が白い漆喰製となる。そして、その上にやはり朱と墨で色どりされる。

 ということは、ガンダーラ寺院は初期12世紀の時代から後期45世紀まで真っ白、その上に色ということかだったのだろうか。

 


 

 

 Copyright(C) 2005 Eurasian-Art Inc. All Rights Reserved.