《欧亚美术》  犍陀罗艺术 

Gandhara Antiques specialty shop
 

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COLUMN 36


あるレリーフの話

 


墓の話しのついでに、以前から気になっていた図1のレリーフについて書いてみたい。

 このレリーフは私の本『ガンダーラ美術』第I巻のNo.136に四門出遊の図として(?)付きで出してあります。その当時は全くみたことのない図柄だったので(?)を付けたが、私はこれはやはり四門出遊でいいと思います。


 図を見てみましょう。左端にストゥーパというより墓があり、その前で犬が死人の肉を食べています。おそらく墓から死人を引きずり出して犬が食べているのでしょう。その右には鍬をふりかざしている農夫。次の二人の人物がおそらく出遊して来た太子と誰かが話しています。その右にはかがんでいる人物、欠損していますが、四門出遊によく出て来るうずくまった病人でしょう。その右がやはり病人に水をかけて体を洗ってやっている処でしょう。
 

 墓、死人、労働、病人、すなわち人間の苦の世界を表現したものでしょう。類例を見ないめずらしいレリーフです。ここでおもしろいのは、墓の形です。土まんじゅうの墓の上にハミルカはありますが傘蓋がありません。欠損がありませんのでこのままの姿です。すなわち当時の墓の原型でしょう。
 

 釈尊の墓にはこれに傘が付いていくようになるのでしょう。
釈尊のような高貴な人には傘がつくのでしょう。
 

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