《欧亚美术》  犍陀罗艺术 

Gandhara Antiques specialty shop
 

■店舗案内

■ご注文方法

 Column

COLUMN 34


過去仏の仏塔
 


 今の世、われわれの世の仏陀は、紀元前五〜四世紀に生きた釈迦族の悟りを開いて聖者となった釈迦牟尼仏陀である。それ以前にも過去仏が何人かいた(七人とも、あるいはもっと多数とも)。

 通常、仏塔(stupaストゥーパ)と言えば、釈迦牟尼仏陀の遺骨をお祀りした墓である。ところが、こんな話がある。仏陀が比丘たちとコーサラ国を遊行中にトーイカーという村にさしかかったとき、仏陀はほほえまれた。アーナンダがその理由を聞くと、仏陀は、ここは過去世においてシビ王がカッサパ仏を信奉し、彼の涅槃の後ここに舎利塔を建ててお祀りした、と。そして比丘たちに「それを見たいか」と。皆が見たいと答えると、仏陀はそこに神通力で舎利塔を地中から出現させた。(杉本卓洲著、『ブッダと仏塔の物語』にくわしい。)
 

 さて、この話の浮彫がガンダーラにあるのだろうか。それがあるのである。次の図1を見て下さい。中央に仏塔、右に仏陀、左に比丘。比丘の表情は驚いている。正に過去仏の仏塔出現の図である。図2もおそらくこの場面であろうと私は思うが、この図に比丘がいない。

 


 

1
 


2



 
私の知る限り、この二面しかない。貴重な浮彫である。図1は、先年ニューヨークのオークションに出たのち、ブラジルの仏伝図をたくさん集めている人の所有になった。

なった。


 

 

 Copyright(C) 2005 Eurasian-Art Inc. All Rights Reserved.